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平成28年4月 新日本海フェリーでF.L.ライトの弟子を尋ねる旅 エピローグ

この記事はこちらからの続きです。



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フランク ロイド ライト
洋風建築が好きな方ならだれもが知っている人だと思います。
こんな稚拙なブログでくどくど書くよりも、ウィキペディアあたりで調べてもらうとわかりやすいと思うのですが・・

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こんな建物とか・・

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こんな建物とか・・
水平方向の線を強調した建物、いわゆるプレーリースタイルの建物を多く残された方です。



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特別有名なのが落水荘ですね。

そんな有名な方ですが、クライアントの依頼で日本国内にも作品を残されました。

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その代表格が言わずと知れた東京帝国ホテル。

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中はこんな感じで大谷石を多用しており、非常に幾何学的な素人にも分かりやすい綺麗な建物です。

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この建物は中央部分のみですが、明治村に移築保存されています。

・・・ちなみにこの建物が完成する前にライト自身はアメリカへ帰国してしまいます。(解任されたようですね。)
それは工期が大幅に遅れたことと、予算もまた大幅(当初予算の6倍まで膨れ上がった!)に越えたことが原因でした。

その後帝国ホテルはライトに師事した遠藤新らが指揮して完成したそうです。


その遠藤新、彼の作品で有名なものはこちら。

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自由学園明日館。

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この幾何学的な模様はステンドガラスを入れるよりも経済的だという思想から生まれたものらしいのですが、今再現しようとすると半端ないお金がかかるでしょうね。

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室内はこんな様子。
彼はライト様式を忠実に再現した建物を多く残されたようです。この建物、一度訪問したいところですが、週末は閉まっていることが多いらしいですね。

今見ても非常にインパクトのある建物ですが、ライトの建物が日本に紹介された当時(大正10年代)は、それはそれは相当のインパクトがあったようです。

ライトの指導を受けていなかった無名の建築家の中でもいわゆるライト様式の建物を再現するものが多くあらわれたようです。
戦前の住宅の本を見てみると、いわゆるライト様式の建物を「シカゴ様式」と書かれている書物も見つけました。
アメリカの都市部の建物の代表格扱いだったのかもしれません。






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ところで今回の旅行で訪問したこの小熊邸。
こちらは田上義也の作品です。彼も遠藤新と共に帝国ホテルの設計に携わり、ライトに師事しました。
後に北海道に活躍の場を移し、道内にいわゆるライト様式を多く残しました。

そんな彼(田上義也)ですが・・

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Ex.)エゾリス。

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Ex.)エゾモモンガのように・・

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親しみを込めてエゾライトと言われたりするようです。

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さて、今回の旅行で訪問したこの日は月曜日。ネットで確認したところ、定休日であることを承知でやってきた次第でした。

私たちがやってきたタイミングで中からご年配の方と他2人位の取引先の方?が出てこられました。
商談に使っていたのでしょうか?
先方を送り出すとともに私たちに「すみません、今日はあいにく定休日でして・・・」と。

私は「それを分かっていて来ました。良かったら建物の外観写真を撮らせてください。」と言ってみたところ、「それでしたら中もどうぞ。」と・・・・

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やったー!
喫茶店利用のお客さんがいたら絶対にこんな事は無いと思う。
あちこち写真を撮らせていただきました。

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中はこんな感じ。

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こちらの椅子は建物の雰囲気に合うようなものを用意したのだそうです。

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南側の窓ですが・・・

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移築保存の際に朽ちていたこの模様部分は札幌市内の木工店で再現してもらったのだそうです。

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幾何学的な天井の装飾もシンプルできれいですが・・

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窓の装飾も綺麗ですね。
いわゆるライト様式の建物はどれも大きなものが多いのですが、こんな小さな建物でもこんな空間が出来るのかと感じさせられました。

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照明のデザインも・・・

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建物全体との調和をよく考えられたものだと思います。

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2階にも上げていただきました。

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小さな家なのに、ライト様式の家が出来るものかと感心しました。

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この家具はオリジナルなのかな?聞くのを忘れてしまった。

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吹きガラスであることも自慢のようでしたね。

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面白かったのが、ドアのビー玉。
これもオリジナルだそうです。

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もともとは札幌市内の住宅街に有ったそうです。その頃に描かれたものです。
移築だけで4800万円かかったそうです。(保存か、取り壊しかかなり揉めたそうです。)

ちなみにこの建物の初代オーナーは北海道大学の偉い先生だそうです。
後に北海道銀行が社宅として買い上げ、頭取の方が住まわれます。

この辺は私の想像ですが、多分この時北海道銀行の頭取はこの建物をいたくお気に召され、田上義也に北海道銀行の建物の設計依頼をしたのではないかと考えています。(その数200余り)

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戦後田上義也は住宅設計の依頼が減っていた時期があるようでしたから、喜ばれたのではないでしょうか?


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ちなみにフランクロイドライト自身は日本国内に多くのフォロワーが生まれたことに関してはあまり感心しなかったようです。

ご本人自身は日本文化をたいそう気に入っており、事務所には浮世絵などを飾っていたようです。
「俺だって、帝国ホテルはオリエンタル調をかなり取り入れているだろう。」と言ったかどうかはわかりませんが・・

何時までも猿真似をするのではなく、自分自身の世界を築くことを勧めたようです。

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事実田上義也の戦後の作品はかなり様相が変化しています。
この教会はこのように空に向かって大きな三角形がそそり立つみたいなデザインの建物です。

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ただし内装などを見てみたら、この天井などは・・・

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非常に類似性を感じてしまいます。

そんなこんなで田上義也の作品は北海道内にはまだ現存しているものが多いようです。
いつかこのブログでそういった建物も紹介できたら良いと思っています。


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話は飛躍します。こちらはフランクロイドライトの晩年に近い作品のグッゲンハイム美術館。
下から上に上がるごとに広がる建物も珍しい。設計段階から既に多くの人が「こんなんで本当に良いの?」と驚かせた作品ではありますが、クライアントは喜ばれたとか。

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中も全く水平基調の所が無いのもすごいとは思います。
この建物も工期が遅れ、予算は膨らみ、普通だったら施工主さんから怒られそうな建物ですが、果たして出来上がった建物はライトの晩年の作品として絶賛されているようです。

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こちらの旅行の時(詳細はこちらをクリック)のことです。
釧路市の子ども遊学館に訪れた時のことですが・・

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らせん状の展示スペースはもしかしたら設計者はグッゲンハイム美術館みたいだと思ってしまいました。

エゾライトの愛称もある田上義也は道東地方にも作品を残しています。
彼の作品を見て感銘を受けた方がライトに興味を持ち、そしてグッゲンハイム美術館を意識してこんなものを設計したのではないかと思うのは素人の戯言かな?(物事の捉え方は人それぞれ色々あるものだと流しておいてください。)





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最後にこの写真を。
写真に写ってくださいと言うと、嫌がっておられましたが、結局こんなはにかんだ笑顔で写っていただきました。
写真はプリントしてロイズ喫茶店にお礼状を添えて送りました。
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コメント

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No title

懐かしい建物ばかり、有名どころですね。
できそうで。中々難しい設計です。
タノウエ先生のドローイング展でアシストしました。
その時に色々お話を下さいました。からすぐちでひいていたので
一発勝負。神経をすり減らしたそう。
バルコニーをバルコンと記載が印象に残っています。

Re: No title

サッピエロさん、こんにちは。

田上義也先生はかなり長く活躍された方ですよね。確か平成に入るまで仕事をしていたと思いますが、その頃に戦前スタイルの家を作ってくれという要望を出す人がいてくれたら・・と思いました。

戦前の本を読んでみるとテラスをテレースと表記してありますね。「昭和30年代志向のネオジャパネスクスタイルを目指しています。」という表記もあったりして楽しいです。
プロフィール

U-BOAT

Author:U-BOAT
福岡県出身。縁あって静岡県浜松市に住み着いて10年になります。
いろいろなことに挑戦してみたいという気持ちは常にありますが、実力が伴っていません。
凝り性ではありますが、ネットの世界では私よりも知識の深い人はいくらでも居ます。
趣味も旅行を始め、多岐に渡ります。ジャンルにとらわれない少しばかり濃い目のブログを作っていきたいと思います。
ご指導、ご鞭撻よろしくお願いします。 2010年8月

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