ジラールペルゴー 初期型クオーツ時計 分解修理


インターネットオークションにこんな時計が出品されていました。
ジラールペルゴーと言うスイスの時計メーカーの古いクオーツ時計です。クオーツ時計の中でも恐らくかなり初期型に類するものだと思います。
「竜頭が抜けます。電池を入れても動きません。ジャンク扱いです。」とこれだけのダメダメなフレーズが並んでいても私以外の何人かが入札していまして、1000円スタートの商品が1600円にて落札となりました。

どうしてこんなのを買ったのかと言うと、オークションの画像で機械を見せてくれたこと。
いかにも初期型らしく、最近のクオーツの機械とは全く構造が違っていそうでどんな構造だか知りたかったから。

まずケースから機械を取り出します。

針を外します。構造が全く分からないから念のため短針も含めてすべて外しました。

機械の回路部分を外してみると・・・一緒にポロッとこんなものも取れてきました。
丸い形状をしたものはどうやらステップモーターのようです。最近のクオーツと違ってコイルも一緒になっています。(分解不能のようです)
一緒に外れた歯車は機械式時計で言うガンギ車に当たるものでしょうか??

この時点でまるで構造が違うことが分かってきたので既に自信喪失気味だったのですが、ここで撤退したら1600円投資した意味が無いと頑張ってみることにしました。

カレンダー部分を外してみましたが・・・一緒にバラバラッといろんな歯車が外れてきました。
・・・・・・・萎えるなぁ・・・・

取り合えず主要な部品を奇麗にクリーニングします。
・・・取り合えず組んでみよう。

まず機械台にセットして・・・

まずは基本どおりに裏側から歯車の輪列を組んで見ますが、この矢印の地板を組んでそれでおしまい。
この時点で歯車は2つしか組んでおらず、しかも1つは宙ぶらりんの状態です。
どうやら文字盤側から組んでいくものらしい・・・

という事で文字盤側を表にして、日付修正、時刻修正に関わる歯車類を組んでおきます。

そしてカレンダーを組みます。
ここで初めて宙ぶらりんだった歯車が固定されるわけです。

再び機械をひっくり返してステップモーターと最後の歯車を組みます。
ここでもやはりステップモーターに歯車を引っ掛けながら機械に乗せる必要があります。結構凝った構造だと思います。

意外に主要部品は組みあがってしまいました。

ここでも地盤と針を組んでおきます。

ケースに収めてから最後に回路を組んでみました。別に深い意味は無かったけど、カレンダーを既に組んでいる状態だったから手の油が付着するのを嫌った結果です。

固定リングを入れておくとなかなかの高級感。当時は相当高級な時計だったはずです。

一応これで出来上がり。
電池を入れてみて、どうだ!!と思ったのですが・・・残念ながら動きませんでした。
多分回路が潰れているのだと思います。
でも、この手の古いクオーツの機械もどうかしたら稼動品が安く手に入る事があるからそれに期待しておこう。
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コメント
No title
ボートさんでも直せないものがあるのですね。
Re: No title
こうじさん、こんばんは。
この時計は汗がかなり入った形跡があったから、駄目もとでやってみてやっぱり駄目だったと言うやつです。
クオーツの時計創成期の頃の時計だから構造はかなり独特でした。しかしクオーツ時計は回路がショートしたらどうしようもないです。
回路を新品で買ったらかなり高価なはずだから、いつか回路が生きているジャンク品を手に入れて再生したいです。
この時計は汗がかなり入った形跡があったから、駄目もとでやってみてやっぱり駄目だったと言うやつです。
クオーツの時計創成期の頃の時計だから構造はかなり独特でした。しかしクオーツ時計は回路がショートしたらどうしようもないです。
回路を新品で買ったらかなり高価なはずだから、いつか回路が生きているジャンク品を手に入れて再生したいです。