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シチズン クリスタルデイト分解修理

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ヤフオクでシチズンの時計を落札しました。
出品物のタイトルに「ジャンク品、動いていません」と言う見出しも躍る・・なんてことは無かったのですが、シチズンクリスタルデイトという時計で27石の高級ラインの物は持っていなかったなと思いまして。
意外に私以外に入札した人がいたので2200円まで値段が吊り上りました。
届いた商品はこれ。昔のヒトは一個の時計を死ぬまで使い倒すので、バッチイことこの上ない。

さて、直るや直らざるや。



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バンドを外すにも一苦労しました。長年の汗などの汚れの付着により、バネ棒も固着気味でした。

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この時計に興味を持ったのは、「社団法人 日本海事検定協会 創立56周年記念 20年勤続賞」の刻印があったからです。記念品として贈られたものでしょう。

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裏蓋を外します。ゴリゴリィィィという嫌な感触がします(汗)。

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ぐぐっ・・既にこの錆び付き具合・・

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自動巻きのローターを外すと更にげんなりします。
汚れが全体に回っています。直るかな?でも、ゼンマイとテンプは生きているようです。
丹念にやってみよう。

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一旦時計をひっくり返して、トントンとするとこの始末。
ウヒー・・・

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まぁ良い。見なかったことにしてばらしていこう。と言っているけど、ケースから機械を取り出すだけで既に2個のねじを壊さないと取り出すことができなかったりして。

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針を外して、文字盤も取り外しますが、文字盤の固定ねじも一本固着していました。文字盤にダメージを与えないように慎重に外します。

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最初にカレンダー周りを外します。
この時代のシチズンの時計のカレンダー機構はちょっと組み立てにコツがいるのです。あまり好きではありません。(このモデルより以降の製品はカレンダー周りの構造が変わっているから、やはり当時からいろいろあったのかもしれません)

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自動巻きのクラッチ部分を外します。

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事前に巻き上がったままのゼンマイを解除しておいて輪列部分を外します。

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手前のゼンマイの入った香箱の汚れ具合を写真に撮りたかったのですが・・もっとピントを合わせられるようになったら良いなぁ。

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脱進機を外します。

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外した脱進機もろとも・・

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こんな感じでばらばらにします。

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職場からこっそり拝借したベンジンにつけて刷毛できれいにしていきます。

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奇麗になったかな?

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ちなみにこれは洗浄皿をティッシュでぬぐってみたもの。すごい汚れです。多分ここまで汚れるぎりぎりまで動き続けたのでしょう。その辺のタフネスぶりが国産の良いところだと思います。

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組み立てに入りますが、私はまずテンプ周りの上下軸受け(白い矢印の部分)から組んでおくようにしています。
この部品も裏表があるから要注意です。

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今回の時計の修理のときにあった一番小さいねじです。全長2ミリありませんでした。

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ゼンマイをセットして輪列の組み立てです。
クオーツの時計の修理に慣れていると、機械式の時計の組み立ては非常に楽です。

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脱進機も・・・

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このように組みつけます。機械式時計の精度を決める重要な部分です。かなり面倒なところですが、サボってここを触らないと修理をする意味がありません。

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無事組み付け。ここで一旦試運転します。

とかなんとか偉そうに言っていますが、最初ちょっと渋いかな・・と思いました。ためしに夕方にしっかり巻いて一昼夜置いておくと朝には止まっていました。
こりゃダメだ、やり直そう。

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相当頑固に汚れているのだろう。自分の体を動かすのに人件費は要らないはず、手を抜かずに丹念に洗います。

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再度組み立て後の写真です。
今度は良い感じだと思う。

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苦手なカレンダー周りの修理に手間取りましたが・・・

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ここまで来たらゴールも近い。ケースに戻して針を組み付けます。
カレンダーがあるから日付が12時で変わるように調整しておきます。

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クリスタルデイトは先に機械をケースに収めてからガラスを組み付けます。

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その後ひっくり返して、自動巻きのローターを組みます。ちなみに写真のような特殊工具が必要です。

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裏蓋の径をちゃんと測って・・

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正しいサイズのパッキンを組んでおけば、今後汗汚れが機械の中に侵入することは無いでしょう。

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べゼルリングを圧入し・・

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出来上がりました。
後は実際身に着けて精度チェックをします。
細かい調整は緩急装置をいじるのですが、時計が好きなヒトにとっては釈迦に説法状態になるから省略。

ちなみにこの時計、永年勤続賞に贈られるくらいですから当時は安くは無かったはずなんです。
きっと分解修理しないまま使ったんでしょうねぇ。
だいたい昭和40年前半くらいの商品のはずだから、持ち主はもうこの世にいないかも・・・
この時計が復活する様子を見ていて草葉の影で苦笑いをしているのかもしれませんね。





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コメント

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日差?

興味深く拝読致しました。分解掃除が出来るなんて凄い!

この時計をヤフオクで、今まさに入札しようかと思っていました。

ところで緩急装置にて調整後は日差はどれくらいになったのでしょうか?

それとこれはハイビートではなく、普通の振動6でしょうか?

Re: 日差?

happyさん、初めまして。

いずれかの時期にブログに登場させたいと思いますが、時計の修理を覚えたのは私が研究者めいたことをしていた時期に、町の小さな時計屋さんに夜な夜な時計の修理を学びに行ったことからです。

シチズンの古い時計はセイコーと比べると人気が無いですが、それでも機械は全く遜色ないと思います。
緩急装置ではだいたい日差15分前後くらいは調整が出来るのではないでしょうか?
ちゃんと整備すると、(クオーツに切り替わる前、機械式時計が主流だった晩年の頃の個体だと)1週間で1分程度の誤差に収まるものもあります。
56系ロードマチックが5.5振動、56系グランドセイコー8振動ですが、どちらも使用していて大差が無かったりしますよ。
この時計は5振動です。その後レオパール6振動が登場し、8振動、10振動に進化していきました。

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Re: シチズン クリスタルデイト

ノブさん、初めまして。

時計の修理ブログは色々あると思いますが、よくこんなマイナーブログにたどり着きましたね。
クリスタルデイトは大抵文字盤側から機械を取り出します。
専用工具もあったと思いますが、まずベゼルを外して、文字盤側をフリーの状態にして、機械を裏側から優しく押し出してあげると外れると思います。
52系は日の裏周りの修理はしずらいと思いますが、頑張ってください。
プロフィール

U-BOAT

Author:U-BOAT
福岡県出身。縁あって静岡県浜松市に住み着いて10年になります。
いろいろなことに挑戦してみたいという気持ちは常にありますが、実力が伴っていません。
凝り性ではありますが、ネットの世界では私よりも知識の深い人はいくらでも居ます。
趣味も旅行を始め、多岐に渡ります。ジャンルにとらわれない少しばかり濃い目のブログを作っていきたいと思います。
ご指導、ご鞭撻よろしくお願いします。 2010年8月

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